一般社団法人西尾青年会議所

理事長挨拶

【はじめに】

この時代において、青年会議所の存在意義とは何か。
世界を混乱に陥れた疫病の大流行により、日本も混乱を余儀なくされた。いままでの当たり前は消え去り、何が起きてもおかしくない予測できない時代へと突入している。戦後の高度経済成長期には、国民全員が同じ方向を向き、右に倣えで動けばすべてがうまくいった。
何もかもなくなってしまったからこそ、全員が団結し、ただがむしゃらに動けばよかった。自分で考えなくても、自分で判断しなくても正解は決まっていた。その慢心がバブルを生み出し、日本の成長を止めた。バブル以前に10%前後で推移していた日本経済の成長率は約30年もの間低下を続け、2020年以降に至ってはマイナス成長という危機的状況である。さらに人口の減少も始まり、国民の3人に1人は65歳以上という世界でも稀な超高齢化国。これが日本の現状である。
私たちの目に見える景色だけは、モノに溢れていて裕福に見える国かもしれない。しかし、その実態は戦後の何もない時代と同等の状況ではないだろうか。
青年会議所は元来日本の再建のために立ち上げられた組織である。日本が危機的状況である今だからこそ、私たちも初心に立ち返り、青年経済人として地域を再興するために活動しなければならない。それが青年会議所の存在意義ではないだろうか。

【義理と人情】

影響力のある人間とは。
「地域のリーダーになろう」「リーダーシップとはなにか」「JAYCEEとはなにか」いまの私たちはそんな抽象的なことを考えるよりも、一度立ち止まって自身を見つめ直すべきではないだろうか。まずは人として、他者にいい影響を与える人間でなければならない。
世の中にはやっていいことと悪いことがある。善悪の判断がつかないのはなぜか。なぜ悪いとわかっているのにやるのか。それは倫理観の欠如でしかない。私たちは裕福になりすぎたために、人として大事なものを見失っているのではないか。いまの自分があるのは誰のおかげなのか。お世話になった人に義理を欠かない。困っている人には情けをかける。自分がよければそれでいいなんてことはない。古い考えかもしれないが、義理と人情こそが日本人 らしさであり、倫理観を高めることが影響力を持つ人間へとつながる。
自分の言動は人にどんな影響を与えているのか。人は、よりたくさんの幸せを感じるために生きている。どうすれば自分がより幸せを感じることができるか。どうすれば周りにいる人に幸せに感じてもらうことができるか。どんなリーダーでも、どんな JAYCEEでもかまわない。一つだけ、善い影響力をもとう。

【商売繁盛】

なぜ青年会議所活動ができるのか。
私たちが青年会議所活動に邁進するためには、本業の繁栄が必須である。いま日本経済は危機的状況に瀕している。
日本の過去30年の経済成長率をアメリカやイギリス、フランスなどの先進国と比較すると、日本だけが完全に取り残されていることがわかる。さらに疫病の流行もあり、失業率はリーマンショックどころか戦後最悪の水準を超え、6%以上となっている。さらに、表にでてこない失業者も含めれば11%以上とも言われている。愛知県に関しては失業率2%台のため、実感が湧かないかもしれない。しかし、ものづくりで支えられてきた愛知の経済発展がどこまで続くかはだれもわからない。私たちの町の経済を作るのは私たち自身である。会員数100余名を誇る団体として、そこに所属する私たち1社1社が成長することで、地元の経済発展に貢献することができる。
青年会議所のネットワークは世界規模である。自社を成長させるために、どうすればいいかわからないのであれば情報を取りにいけばいい。ソフトバンク、楽天をはじめ、一代で世界に名を知られている企業は無数にある。同世代の人間はもちろん、20代で会社を上場している人間も多数いる。私たちの可能性は無限大である。
いまこそ青年会議所活動で培ったネットワークを活用し、商売繁盛のきっかけを探そう。そして、学んだ情報を地域に共有し、 未来の仲間を育てよう。

【生きる力】

生きる力とは何か。
それは、身の回りのことを自分でやれること、お金を稼ぐことである。 日本では人口の減少が始まっており、生まれてくる子供の数も1973年以降減少し続け、
いまではピーク時の半分以下になっている。日本の社会保障は現役世代がリタイア世代を支える形になっているため、必ず制度に限界がくる。数字上ですべてがはっきりしているいま、日本経済の未来のために絶対的に必要になるのは子供に対しての教育である。これはできる人間を伸ばすということではなく、できない人間を取り残さないということ。子供たちは社会に出る前に知らなければいけないことがたくさんある。国語算数や理科社会ではない科目。それが生きる力。
目まぐるしく状況が変わる現代。目の前の課題に対して自分で考え、決断し、行動を起こすことが必要になる。
しかし、心と体が健康でなければ考えることはできないし、行動もできない。私たちが地域の未来を担う子供たちに対して、生きる力を教育していかなければならない。
そのアウトプットは子供を成長させるだけでなく、私たち自身を成長させることにつながる。

【愛知ブロック協議会の一員として】

県下有数の会員数を誇る LOM として。
1981年に開催された第14回愛知ブロック大会。これは西尾青年会議所が主管を務めさせていただいた記念すべき大会である。
33LOM が所属する愛知ブロック協議会の中において、前回主管から早40年が経過した。各ブロックはもちろん、地区や日本青年会議所においても各種大会の開催が難航しているこのような状況下で、私たち西尾青年会議所として愛知ブロック協議会にどのように貢献していくべきなのか。この「大会」と呼ばれる仕組みは、全国や各地区、ブロックという単位において同じ志をもって活動する会員同士の交流はもちろん、1つのLOMでは解決できない課題に対して運動を発信するための仕組みでもある。日本経済をはじめ、課題が山積しているいまだからこそ、西尾青年会議所として愛知ブロック協議会との連携を強化していかなければならない。
そのためにも、まずは西尾市の魅力をあらためて探求し、私たち自身が愛知ブロックに対して何を伝えられるかを考えていこう。

【組織運営の根幹】

当たり前にこそ疑問をもつ。
青年会議所は会議をする団体である。すべての運動は会議で決定されたことにより始まる。よりよい運動を展開していくためには、会議そのものの質と効率を上げなければいけない。変えるべきものや、変えてはいけないもの。いままで当たり前だった価値観に対して疑問を投げかけよう。時代は著しく変化している。
いままでこうだったからではない。その当たり前に疑問をもとう。なんのために定款があるのか。なんのために資料を精査するのか。 なんのために会議をしているのか。運動の本質を見極めよう。私たちが変化に対応し、率先して行動を起こしていかなければ組織は衰退してしまう。当たり前を変えることは大変かもしれないが、大きく変わろうとするのであれば至極当然のこと。永続的に組織を発展させるために、私たちができることは何か。当たり前に疑問をもち、変化を恐れずに挑戦しよう。

【青年経済人の品格】

品格とは何か。
人として、よりよい影響力を持ちたいのであれば、それにふさわしい品格を持ち合わせていなければならない。私たちは、すべての言動が人に見られているということを常に意識し、西尾青年会議所として JAYCEEとして活動していくために、品格を磨く必要がある。
日本人が昔から大事にしている「気遣い」という精神に起因する他者への配慮。その配慮が、自身の姿勢や所作や服装などを意識することにつながる。
そして意識が変われば行動が変わる。共に青年経済人としての品格を磨いていこう。

【伝えるではなく、伝わる】

組織の運動を発信するだけでは意味がない。伝わってはじめて意味をもつ。
私たちが所属する「西尾青年会議所」という組織を知っている人は西尾市内にどれくらいいるのだろうか。どんなに有益な情報だったとしても、それが知らない人からの情報であれば人は聞こうとも思わない。逆にささいな情報であったとしても、友達からであれば話は聞く。影響力のある人間が一言つぶやけば世界が動く時代である。
これは、私たちの運動を地域に浸透させる好機でもある。情報を発信する機会も方法も無限にあるいま、どうすればよ り私たちの運動が伝わるのか。
西尾青年会議所として、一つの新しい形を模索していこう。

【関係の質】

共に活動するメンバーを知ること。
組織の生産性を上げるためには、メンバーの同士の関係の質が重要となる。
しかし、疫病の流行によりメンバー間の交流が難しくなってしまったことにより、いままでとは違う組織全体の士気を上げる方法を工夫していかなければならない。
よりよい運動を展開していくためには、JC活動の質の向上が必須である。そのためには、メンバー同士の関係の質を向上させ、「あいつがやるならおれもやってみよう」「あいつががんばってるからおれもがんばろう」という思考を LOM の中に浸透させることが必要だと考える。だからこそメンバー間の関係の質に注目し、まずは自身を知ってもらい共に活動するメンバーのことを知ろう。

【同志を増やす】

環境が人を変える。
西尾青年会議所は、2012年度の155名をピークに会員数は減少の一途を辿っている。この3割強の減少幅は、日本の人口ピラミッドにおける団塊ジュニア世代の総数と現在の30代の総数とリンクしている。これが日本の現状である。しかし、人口が減っているからといって会員の減少に対して諦めてしまっては意味がない。
私たちがこれからも継続的に運動を展開していくためには、一人でも多くの同志を増やし、一つでも多くの交流を生み出し、切磋琢磨できる環境を整えることではないだろうか。人は人でしか磨かれないというように、同世代で同じ志をもった人間が集まれば集まるほど、この組織はもっと強くなる。
会員を増やすということは、自身を成長させるきっかけを増やすということである。

【学び舎】

大人が真剣に悩み、叱られ、楽しめる場所。
西尾青年会議所の伝統として守らなければいけないもの。その一つは間違いなく「アカデミー委員会」である。
JC 活動を続けていれば誰にだって辛いときや逃げ出したくなる時がある。
その時に一番の理解者となり、一番の協力者となれるのがアカデミーの同期。
仕事や家庭とは違う、JC という新しい価値観に同時期に触れ、同じ体験を共にしてきた仲間だからこそ話せることもある。
人生は学びの連続であり、学ぶことの大事さを教えてくれるのがこの学び舎である。

【最後に】

私は西尾青年会議所のメンバーが好きだ。みんな幸せになってほしいと思う。ただ、組織に所属しているメンバーの中にはどうにも辛そうな人もいる。そういう人間を放っておけない。人は何のために生きるのか。私は、より多くの幸せを感じるために生きると考えている。青年会議所には人生を豊かにするための機会が溢れている。その機会をうまく活かせない人もいる。困っている人がいれば手を差し伸べる。そこに損得勘定はない。迷わず助け合える組織でありたいし、私は率先して手を差し伸べていく。

自分の人生がより善くなる選択をしていこう。

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