- 一般社団法人西尾青年会議所
- 理事長所信
【はじめに】
西尾青年会議所が歩んできた70年——それは挑戦と夢、そして数えきれない感動が詰まった物語である。
「明るい豊かな社会」の実現という理念を掲げ、地域の未来のために仲間とともに歩んできた先輩諸兄姉の姿からは、地域をより良くしたいという確かな想いが伝わってきており、我々現役メンバーへ静かに語りかけてきます。
その姿には、各時代それぞれの「誇り」があったのだと、私は感じています。
そして今、多様な価値観が混ざり合い、青年会議所しかない時代から青年会議所もある時代へと変化する中に、我々は立っています。かつての先輩諸兄姉が紡いできた想いを、どのように受け取り、どう次代へつないでいくのか。
その答えは、ここにいる我々、現役メンバーの手に委ねられているのです。だからこそ、我々は未来を見つめ、どのように行動し、どのように見せていくのかを、今こそ見つめ直すべき時が、まさに今であります。
まちや家庭では、このように見られ、感じたことはないでしょうか。
「JCって何をしているの?」
「飲んでばかりいる団体でしょ?」
「家族の時間よりも、またJC?」
そう言われるたびに、悔しさが込み上げます。こんなとき、自分が何のためにJCに時間を費やしているのか、見失いそうになることがあります。
我々は、遠回りをしてしまうことがあるかもしれません。けれど、決して間違ったことなんてしていません。地域の未来や、これからを生きる子どもたちのことを真剣に考え、仲間とぶつかりながらも、必死に活動しています。
その一つひとつの行動に、我々の「誇り」が込められています。
だからこそ、この誇りを伝えていく必要があります。家族に、地域に、そして未来に。認知されていないのであれば、誇れる姿を見せていきましょう。
誤解されているのであれば、誤解が解けるように行動していきましょう。
誇りという言葉には、どこか“名誉”や“栄光”のような響きを感じるかもしれません。
しかし、私がここで伝えたい誇りとは、青年会議所での行動が、自分にとって価値あるものだったと胸を張って思えることです。
そしてその誇りは、やがて行動となってあらわれ、人に伝わったとき、初めて、誇れる組織というものが、少しずつ形になっていくのだと、私は信じています。
【会議が変われば、組織が変わる】
青年会議所は、その名の通り会議によって運営される組織です。この会議こそが、青年会議所の醍醐味であり、組織の根幹を成す価値であると言えます。すべての例会事業は、会議によって意思決定されており、その質は事前の準備と段取りによって大きく左右されます。西尾青年会議所では、2024年より新アジェンダシステムを導入し、議案の共有や上程の効率化が進んできました。しかし、理事会や資料精査にかかる時間の長期化といった課題も残されており、さらなる改善の余地があると感じています。限られた時間を有意義に活用するためにも、新たな工夫を取り入れ、会議の質そのものを高めていく必要があります。
会議の質が変われば、議論の深さが変わり、そこに関わるメンバーの熱量も大きく変化していきます。だからこそ、準備を入念に行い、資料を整え、仕組みを進化させていくことは、組織を支える要となるはずです。また、定款や諸規定といった根本規則も、会議運営と深く結びついています。我々は、その規律を正しく学び、実践を通じて、時代に即したより良い青年会議所の運営を目指していかなければなりません。そうした会議運営や組織のあり方を見つめ直すうえで、他地域で活動する同志たちとの出会いは、大きな気づきをもたらしてくれます。地域を越えて交わる想いや価値観は、新たな視点を与えてくれます。互いに刺激を受け合いながら育まれるつながりは、青年会議所としての誇りへと昇華していくことでしょう。そうした経験の積み重ねを通じて、メンバー一人ひとりが西尾青年会議所という組織に、より深く心を寄せていけることを願っています。
【想いを、見えるかたちで届けよう。】
現代の情報発信においては、きれいに整えられた宣伝よりも、行動を伴ったリアルな体験こそが人の心を動かす時代になっています。例えば、企業が用意したCMよりも、実際の使用者が語る生のレビューのほうが6倍以上も信頼されるという調査結果もあります。広報活動においても、メンバー自身の体験や心の動きが反映された発信でなければ、地域の皆さまから共感を得ることは難しいのではないかと考えます。西尾青年会議所では現在、SNSを活用して、各事業の広報活動を行っています。しかし、その多くが事業の告知や報告にとどまっているのが現状ではないでしょうか。これからの広報には、現場で感じた想いや迷い、気づきなど、人の心の動きを言葉や映像にのせて届けることが求められています。そうしたリアルな発信の一歩こそが、地域の皆さまの興味を引き、共感を呼び、やがて価値を伝える力へとつながっていくはずです。かつては、1万人を超えるフォロワーを抱え、多くの注目を集めていた時期もありました。もちろん、数だけがすべてではありませんが、一人でも多くのファンを生む発信こそが、西尾青年会議所の想いや価値を広げていく原動力になると考えます。だからこそ、誰にでも見える形で届けることのできる発信戦略を設計し、西尾青年会議所の存在を地域の皆さまにしっかりと届けられる広報を構築していく必要があります。
本年度は、創立70周年を迎える特別な年となるため、一人でも多くの地域の皆さまに想いが届くような発信の工夫が必要です。そのためには、LOMメンバー一人ひとりが広報の担い手となり、一体感のある発信を行うことで、より多くの皆さまに届けることができるのではないでしょうか。
地域に向けて想いを伝えていくことができれば、西尾青年会議所がこのまちを想い、真剣に活動している姿をリアルに届けることができます。そこから関心が生まれ、共感が広がり、価値が伝わり、やがて協力や応援へとつながっていくと信じています。
【一体感が組織をつくる】
青年会議所には、地域の外にも多くの学びがあります。日本青年会議所や愛知ブロック協議会が主催する各種大会や会議に参加することで、日々の活動では触れることのない価値観や視点に出会い、自らの視野を広げることができます。多くの他地域のメンバーが集う中でも、安心してその場に臨めるのは、舞台を陰で支え、導線を描き、学びの環境を整えてくれる仲間の存在があるからです。そうした支えがあるからこそ、我々は一体感をもって行動することができるのです。本年度は、周年や記念事業をはじめ、多くの対外事業が予定されています。こうした対外の場に臨むときこそ、組織としての結束力や姿勢が問われます。対外の舞台に立つときこそ、心をひとつにした西尾青年会議所の姿を、地域社会に示していく必要があります。
そして、西尾青年会議所と地域社会をつなぐ架け橋としての役割を担い、新たな1年の始まりとして、組織の方向性を行政や関係諸団体、先輩諸兄姉にお伝えする機会を設ける必要があります。言葉だけではなく、我々の行動や姿勢からもその想いを感じていただき、さらなる信頼関係を築いていく必要があります。また、わんぱく相撲は、我々が誇りをもって取り組んできた継続事業です。第8回を迎える本年度は、勝敗だけでなく感情と向き合う経験を通じて、思いやりや忍耐、相手を尊重する心を学ぶ場として開催します。事業の軸を明確にし、次代へと引き継がれる西尾のわんぱく相撲として、未来への礎を築いてまいります。
「この地域をつくっていく若者たちへ」
日本は国民一人ひとりが主権者として国をつくっている国民国家である。
それは都市のみならず日本全国の地方においても同様だ。西尾市をつくっているのは西尾市民一人ひとり。
その市民の声を反映し選挙で選ばれた人たちが市政を行い、私たち市民は地域活動に参加したり経済活動をすることでまちをつくっている。
昨今の課題として、主に若年層の人が住み暮らす地域や自国に対しての関心の低さが課題として取り上げられる。
例えば選挙における年代別投票率をみると若年層の投票率が低く諸外国に比べ日本の若者の政治参画意識が低くなっている。
前向きに捉えれば日本という国が平和であることを意味しているともいえるが、一方で子どもや学生時代に自分たちの住み暮らす地域に対して興味をもち魅力を考え愛着をもつことは、将来的にこの地域をつくっていく担い手を増やすことに繋がると考える。
自分たちが住み暮らすこの町に興味をもち、自分たちが育った町がこうなれば良いなという希望を描けること。
ひいてはその若者、子どもたちが社会に出るときにこの愛着のある町で住み続けたい、働きたい、と思えることが住み続けられるまちづくりにおいて大切なことだ。
【支えてくれる人の信頼が、次の一歩を支える】
青年会議所の活動は、家族の支えがあってこそ成り立っていることを、我々は決して忘れてはなりません。ここでいう家族とは、自分が一生をかけて大切にしたいと思えるすべての人を意味しています。しかし現実として、たとえ身近な存在であっても、活動内容は見えづらく、十分な理解が得られずに苦しんでいるメンバーがいるのも事実です。だからこそ、我々はその現実と向き合い、組織として見せる努力を行っていかなければなりません。誰と、どんな想いで、どのような活動をしているのか。それが見えなければ、理解は生まれません。そして何より、伝えようとする姿勢そのものが、理解と信頼を生むきっかけになると、私は信じています。そうした積み重ねが、青年会議所の活動に、より前向きに取り組めるメンバーを増やしていくことにつながっていくのです。
そのために必要なのは、実際にメンバーの姿を目にし、交流や体験を通じて、西尾青年会議所の雰囲気を感じてもらう機会を創り出していくことです。さらに、日々支えてくださっている家族の皆さまへ、感謝の気持ちを伝えること。その感謝は、言葉だけではなく行動や場づくりからみえる姿勢こそ、真に伝わるものだと考えています。楽しい時間を共有し、思い出をともに創ることで、家族との良好なコミュニケーションの一助となり、青年会議所への理解と信頼を深めることにつながっていくでしょう。
2023年には、「育LOM宣言」を掲げ、家族、仕事、JC活動のバランスをとりながら活躍できる環境づくりに向けて、少しずつ前進してまいりました。今、我々に求められているのは、組織としてさらなる変化に挑戦することです。何を変えるべきか、何を取り入れるべきなのかを見極めながら、メンバー一人ひとりが活き活きと活動できるよう、次の行動へと移していきましょう。
【見えない未来を、見えるものに】
日本国民の82.5%が「将来の暮らしに不安がある」と答えている今、明るい未来を思い描けない人が増えています。この数値は、先進国の中でも最も高く、将来への悲観は若者から高齢者に至るまで、社会全体に広がっています。将来に不安を感じると、新しいことに挑戦するよりも、今ある生活を守ろうとする意識が働き、現状維持を選びやすくなります。しかし、現状維持は、すなわち衰退を意味しています。未来は、何もしなくても勝手に良くなるものではありません。
だからこそ我々は、未来を描く力を育む必要があります。未来について考え、体験し、創造する機会をつくっていかなければなりません。未来の技術や価値観に触れることは、これからの社会を創造する力を養い、不安を希望へと変えていく第一歩となります。そして、創造するという意志こそが、次の行動へとつながっていくのです。体験を通じてこそ、人は未来を自分ごととして捉えることができ、その実感が、未来を描く力を育てていきます。未来を描ける人が増えれば、不安にとらわれず、前を向いて進むことができる社会に変わっていきます。我々西尾青年会議所は、その希望の連鎖を生み出す先頭に立ち、未来を切り拓く起点でありたいと考えています。
【奇跡の出会いが、可能性を広げる】
青年会議所には、奇跡ともいえる出会いがあります。
年齢も業種も異なるメンバーが、同じタイミングで入会し、同じ時間を共有しながら、ともに学び、ぶつかり合い、想いを重ね、一つの目標に向かって行動する。それは、大人になってから出会える数少ない友情であり、かけがえのない絆へと育っていきます。これこそが、他のLOMには数少ないアカデミー委員会という仕組みの大きな魅力です。青年会議所の理念や目的は、活動の軸を築くうえで欠かせない基礎であり、それを同期とともに学び合うことが、より深い理解と強い絆につながっていきます。教えられるだ
けではなく、同期と語り合い、悩み、乗り越えていく中で、学びは少しずつ深まっていくものです。学びがあるからこそ友情が深まり、友情があるからこそ学びは心に根づいていきます。このふたつは、青年会議所の価値であり、あなた自身の可能性を広げてくれる土台となるはずです。
同期がいるからこそ頑張れる。同期が挑戦しているから、自分もやらなきゃと思える。そんな仲間の存在が、自分では届かなかった場所へ手を伸ばす勇気を与えてくれます。気づけば、同期の背中に押されるように、自分も背伸びをしている。そんな一年が、きっとあなたにとって挑戦への自信と、新たな自分に出会う原動力となってくれることを願っています。
【地域の子どもたちの心を育てる】
わんぱく相撲西尾場所は、昨年で第7回目の開催を迎え、我々西尾青年会議所が誇りをもって取り組んできた継続事業であります。
相撲は日本の国技であり、日本の歴史や文化の象徴として受け継がれてきました。単なる競技ではなく、体をぶつけ合いながらも、勝敗のあとに互いを敬う姿勢に、日本人が大切にしてきた尊敬と謙虚の精神が表れています。しかし現代の子どもたちは、教育や保護者の配慮から、傷つかないように、負けを経験させないように、という環境に置かれることが増え、競争の場が避けられる傾向にあります。だからこそ、国技である相撲を体験し、挑戦を通じて心を鍛えることが、現代の子どもたちにとって欠かすことのできない学びとなります。
土俵に立つことで学ぶのは、勝ち方や技術だけではありません。勝つ喜び、負ける悔しさ、その感情に正面から向き合うなかで生まれる思いやりや、悔しさに耐える力が、相手を尊重する心を育みます。わんぱく相撲を通じて、子どもたちが感情とどう向き合い、どう表現するのかを学び、真の強さとは何かを感じ取ってほしいと願っています。そしてこの学びは、地域の未来を担う子どもたちが社会の中で力強く生きていくために必要な徳性を、自然と身につけていく貴重な機会となります。
【今を語り、未来を拓く。70年のその先へ。】
2026年、西尾青年会議所は創立70周年という大きな節目を迎えます。これまでの69年間の歩みは、各時代を全力で駆け抜けた先輩諸兄姉の挑戦と努力の結晶にほかなりません。我々は、その誇り高き軌跡に深く敬意を表するとともに、今こうして仲間とともに活動できているのは、多くの関係諸団体や地域の皆さまからの支えがあってこそだと、改めて胸に刻んでおります。
青年会議所は、20歳から40歳までという限られた時間しか活動することができません。メンバーは世代ごとに入れ替わり、新陳代謝を繰り返しながら、70年という歳月を紡いできました。当然ながら、そのすべてを語ることができる人はいません。語ることができるのは、それぞれの時代に、その時代を生き抜いた仲間たちだけです。そして今を語ることができるのは、まさにこの時代を担う、我々現役メンバーしかおりません。だからこそ、70年という歩みを改めて受け取り、過去と現在を結び直し、未来へとつなぐ場が必要です。我々は、語ることのできる今この瞬間と、語り尽くせない長い歴史を見つめ直しながら、この節目の年に、次なる一歩への想いをしっかりと示してまいります。
その一歩は多くの方々に注目され、西尾青年会議所としての団結力を示す場です。しかし現状では、各会議体や委員会に与えられた年間を通した役割の違いによって、意識に差が生まれています。周年事業は、一部が担う事業ではなく、メンバー全員で取り組むべき全体事業です。70周年記念式典を成功させるためには、一人ひとりが当事者としての自覚をもち、組織全体が一体感をもって挑まなければなりません。
【結びに】
創立70周年を迎える今。
10年後。20年後。そして、その先も続いていく未来のために。自分にとって、仲間にとって、家族にとって、組織にとって、地域にとって、そのすべての存在を想いながら、我々は、この西尾青年会議所をより良く変えていく挑戦を積み重ねていかなければなりません。
仲間と向き合い、地域の課題に挑み、日々の行動の中で育まれていく一人ひとりの誇り。その一つひとつは確かな証となり、次の世代へと受け継がれていきます。小さな一歩も、大きな挑戦も、未来に誇れる組織をつくる歩みとして、確かに刻み込まれていくのです。
未来に誇れる西尾青年会議所を、我々の手でつくりあげていこう。
